昨日は大家がここを借りたい人を4組ほど引き連れてやってきた。面白いのはドアを開けたときにスウェーデン人と日本人に鉢合わせたフランス人カップルたちの顔。この時に変な顔しなかった奴に次の住人になってもらいたいと思っている。選択権はボクにないけどね。
でも、そうでしょう。きっとここにはちょっと変な人がまた住むことになるんだろうと思う。入り口のドアには落書きされていて大家は一向に直そうとしないし。何しろ入り口にインターフォンなしなんて、フランスのどこ探してもこの建物ぐらいでしょう。なんてたって1930年から建ってるボロアパートだからね。戦時中はどんな状況だったんでしょう。
ちなみに大家はユディッシュフランス人。リヨン3区でルモルク(車で引っ張る台車)を売っている商人です。ユダヤ商法ってユダヤ人たちが生きてきた逆境の中から起こってきたものらしいんだけれども、まさに家の大家はその逆境に立ち向かっています。家の周りは開発の波に飲み込まれ古い家は潰されては近代マンションに変身し、リヨンのClubbingとかほざいているアホどもの住居と化しているんです。しかし、それでもここの大家、われらがCharnoudはそんなことにはめげずに平屋を持ち続けています。時には一通の道路を遮断してトラックを止め近所と大喧嘩。時にはシャッターに大きな落書きをされ。時にはショーウィンドーのガラスを割られ。そんなこんなでもCharnoud一家はめげずに元気に商いしています。
この家とお別れするのもなんとも寂しい限りでございます。何年かしてまたリヨンを訪れたときにこの家が残っているといいな。リヨンの旧市街と並んで、世界遺産に登録されるといいな。
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